正しいことを正しく、は難しいのか?
勤めていたころのこと。部下、同僚、顧客からよく言われたのが、
「正しいことを正しくおこなうのは、そうそうできないよ」というフレーズである。
人はそれぞれ違うから正しいことも違う、なんてことも言われた。
あなたができるからって皆ができる訳ではない、というのもよく聞くフレーズであった。
政治家が選挙でいう言葉に、「有権者のために!!」というのがある。
しかし、あなたもご承知のとおり、これはあくまでも選挙の為であり、
正しい事を実行するとは言っていない。
でも、我々は政治家ではない。ビジネスパーソンだ。
なぜ最初から難しいと言うのか?
私事で恐縮だが、別に順風満帆に、何の問題もなくやってこれたわけではない。
「もうだめだな、これは」という事態になったこともある。
でも、諦めずにすんだのは、「やっていることは正しいのか」と自分を客観視するくせをつけたから。
客観的に見たとき、本当に正しいのかを見る癖をつける。
そうすれば、正しいことをするのは、難しくはないのである。
目先の利益ではなく、会社の継続的な成長を考える
「これを認めると自社が損するからやめておこう」ではなく、「損をするが、間違いを正そう」と考え、実行することが大切だ。
何か間違いがあったときのごまかしは、中長期で会社の利益と信頼も奪い去る。
なかなか正しいことが通らないと感じる人も多いだろう。
営業でも、「この製品能力では顧客満足は得られない。だから、製品の見直しをしてほしい」と言った意見がでる場合がある。
だが、コストの観点から見直しに、上層部が後ろ向きな場合もある。それでも、やはり顧客満足を得ることが将来の発展つながるのならば、
言わないといけないのである。
諦めたら、結果的に追認しているのとおなじなのである。
伝えるという行為は、とても尊いものなのである。
個人的な成長メリットもある。
- 相手への訴求効果をかんがえるので、思考力が高まる
- 説得力のあるはなしの組み立てができるようになる(経験を通じて)
- 何が正しいか?を考えるくせがつくので、そこから自分の哲学がそだつ
会社が態度を改めないなら、ニュースを騒がせた(騒がせている)企業のようになる可能性が高い。
転籍、解雇など、色々よくないことも起こる。
ここで気づいても手遅れであるのは明らかだ。
でも、あなたは大丈夫だ。自ら考え、哲学を持ち、正しい事を正しくする人は、必ず欲しがる企業がある。
そうでないなら、企業文化は根絶やしになる。
正しいことを正しくやろう。保身を考える人よりも、はるかに明るい将来があるのだから。