3S: 瞬発力、集中力、そして執着力は飛躍に必要なビジネススキルだ
今回は3つ目の執着力である。ビジネスマンとしての成功を強烈に引きつける力といえる。
執着力は仕事をする上で必須のメンタル力
お分かりの通り、執着するとは諦めないで考えつづけ、やり続けることである。なんでもそうなのだが、途中で投げればそれですべては終わりなのだ。
松下幸之助も自著、『人を活かす経営(PHP研究所)』の中で語っているが、諦めれば失敗であり、成功するまでやり続ければ成功するのだ。
最後まで諦めずにやりきる力が、成功には必須だということである。簡単か?と問われれば、確かに簡単ですよ、とは言い辛い。嘘はつきたくない。ただ、あきらめないことでの学びは本当におおきい。すべては自分のため。給料をふやすためにも、諦めない力は必要である点を強調させていただきたい。
十分条件と必要条件
十分条件とは、やれることはやった、という考え方である。
必要条件とは、やることはやったがまだやれることはあるという考え方である。
営業活動を考えてみると、十分条件を満たすのは営業活動としては当たり前と言える。
「出来る事はやったからこれでいい」、という人がいる。
そこで、質問を重ねてゆくと、まだできることありますね、となる場合が多い。
大切なことは、出来ることをやって満足しないこと。
やることをやって納得してしまうと、製品やサービスに余程の差が無い限り、
競合他社と同じ土俵に居るだけとなるのだから。
圧倒的なふかぼりに基づく活動をして必要条件を満たすと、自分で思う以上に競合との差は開く。
なぜなら、「もっと確実性を上げるためにできることはないか」と探してでも実行する人は少ないからです。
大げさではなく、あなただけが必要条件を満たしている場合もあり、そんなときは一気に仕事はあなたのものとなるのである。
必要条件を満たすと顧客からの信頼は高まる
とある製造メーカーへの部品導入を進めていた、営業職の坂本さん(仮名)から、「これ以上やる事はありませんから、あとは様子をみます」と報告を受けたことがある。非常に前向きな人物で、信頼もしていた。
しかし、あえて彼に詳細を踏み込んで聞いてみた。2人で話し合った結果、まだできることがあるとの結論に到達。早速、我々は追加の策を実行にうつした。
競合他社よりも突っ込んで顧客の問題解決に関わったことで、受注が一気に近づいたことを覚えている。
必要条件を実行すると得られるものとは?
坂本さんが正しかったのは、報告をしっかりしていたことだ。
だから、方向修正も出来たのである。
時間を重ねて得られる経験を突然増やすことはできない。
しかし、いい経験は詰めるのである。
相談し、実行すべきはすぐに進めた坂本さんの謙虚さが信頼を生んだから、
受注を引き寄せたといえる。
考え続けると必ず追加のアイデアは生まれる。
Quantum leap (発想が飛ぶ)が起きる経験をする様になるのである。
一人で考えるより同僚と考えたければお願いすればいい。
出てきたアイデアはちょっとずれているかもしれない。
でも、気にする必要はまったくない。履行する前に上司と話せば未然に防げるのだから。
何よりも大切なのは、『お客さんの立場に立ち、何ができるかを必死に考える』
ことなのだ。
考える力は継続すればぐんぐん伸びる。
執着力を発揮すると成果も安定するのだが、それはなぜなのだろう?
お客さんが何を求めているのかを理解する
どうしたら購入していただけるか、という売るがわの視点で考えがちだ。
だが、執着力をもって顧客と向き合うと、どうしたら貢献できるかに変化する。
それは、考え続けることでお客さんに焦点をしぼっていくからだ。
だからこそ、追加で色々と提案ができる。
必要条件を満たすベクトルに近づくから、受注も安定していくのだ。
心構えは、小手先のスキルを凌駕する
数回に分けて、簡単であるが3つのメンタルスキルをお伝えさせて頂いた。
- 瞬発力
- 集中力
- 執着力
私は頭文字を取って勝手に3Sと名付け、20代のころから意識して使っている。
瞬発力がなければリズムに乗れない。テンポを乱しタイミングを逸してしまう。
集中力はリズミカルに仕事をすると維持される。
リズムを持って集中すれば、「ここまででいいや」とはならなくなる。
ついつい、やっぱり、「何かさらにできないかな」と考えてしまう。
執着力でやり切るようになる。
まずはやってみること。今日出来たら明日もやってみる。そして翌日も。
この繰り返しで仕事の質、安定感が大きく変わり、周囲からの信頼感を勝ち得る様になる。
結果を安定的に出す人は認められ、当然、給料にも反映される。
出世する意思があるなら、視野に入ってくるのである。
3Sを実行しつづけ、プロ意識を高め、給料をふやしていただければと
切に願うしだいである。